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文/植木 務(上越市大島区田麦在住)

[2008年12月1日]

<冬なのに夏/オーストラリア旅記 1>
 11月19-24日、田麦初雪の朝に発ち家内と豪州を旅しました。日本から赤道を越えた反対側。彼の地を四角形に例えれば、左下パース(Perth)と右下シドニー(Sydney)を拠点としその近くを巡る旅。現地は初夏なのに思いの外肌寒い日もありました。太陽は北天から射し、月の満ち欠けは左右が逆。期待した南十字座(星)とマゼラン銀河には季節がら高度が低く逢えませんでした。

<晩秋/風散布>
 風のある日は小さな綿毛の様なものが、低く飛ぶのを見かけます。
毛束に付く植物の種、「種子散布」の一つの形です。セイヨウタンポポはタマネギと同じく野菜として移入されたのですが、受粉なしでも種を作るので年中何処でも見かけます。この種は冠毛の落下傘にぶら下がっています。日本古来からあるススキは逆に、基毛のすり鉢状窪みに種が鎮座しています。他に袋型翼型プロペラ型グライダー型などあり、自分で動けない植物達の編出す多様な智恵に脱帽です。

<サル・シカ・カワウ・クマ・イノシシ・・・>
 野生鳥獣対策のことです。全国各地でこれらによる農林漁業人的被害が多発しています。ツキノワグマは日本西南地方で個体群の消滅が心配される絶滅危惧動物ですが、長野県で1300頭、新潟県で1100頭程が生息していると推定されています。県山間集落では鳥獣被害と保護対策に官民が苦慮しています。被害防除と生物多様性維持の保護管理をどうするのか。当地でも立向かわざるを得なくなるのは、「時間の問題」と感じました。
* 南魚沼地域振興局での共存をめざす野生鳥獣対策シンポ参加の感想
(写真は、民家脇の木の熊の爪跡。右4本は昨年、左ささくれは最近のもの)

 

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